当院での検診について
当院では名古屋市在住の国民健康保険の方の特定健診、後期高齢者健診を行っております。
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000012/12402/kenshinpdf30.8.31.pdf
(社会保険の方には対応しておりません)
また個人での検診を行っております(ただし項目によりお受けできない場合があります)。
上記健診は予約制で原則8時50分のご来院となります。
その他の名古屋市がん検診の肺癌健診、大腸癌検診、骨粗鬆症健診、前立腺癌健診は予約なしで随時可能です。
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000008/8772/iryoukikann.pdf
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary disease: COPD)とは何でしょうか。
それはタバコ煙で肺に慢性の炎症が生じ、肺が崩壊され肺機能悪化を来す病気です(肺気種もほぼ同義で使用されます)。
COPDは肺だけではなく、全身炎症,栄養障害,骨格筋障害,心血管障害,骨粗鬆症等を併発する事が知られています。また非喫煙者でも副流煙吸入で起こり得ます。
症状が有っても受診しない患者さんは多く、数百万人が潜在すると想定されています。
診断は肺機能検査で気流閉塞による肺機能の悪化を証明します。喫煙がリスクとなる心疾患や喘息、肺癌などと鑑別するため胸部X線やCT、心臓の検査等も必要な場合があります。
喫煙者はまず禁煙が必要で、崩壊した肺に残っている肺の機能を助ける気管支拡張薬を使用する事で、症状や生活の質が改善し気道感染のリスクを改善することが期待できます。進行例では酸素療法なども行います。
喫煙者、以前喫煙していた方、ご家族やパートナーが喫煙しているあるいはしていた方で息切れ、咳などの症状のある方は医療機関での相談をおすすめします。
(図はGSK社資料 それってCOPD? から引用)
上記概要は中日新聞 教えてドクターQ&Aに掲載されました。
睡眠時無呼吸症候群
いびきをかいて眠る方は少なくないと思います。いびきの多くは気道という空気の通り道が狭くなることにより起こっています。
つまり空気の通り道が狭くなる訳ですから、空気の通過が悪くなり体に必要な酸素の取り込みを悪する事を引き起こし事があります。
すべてのいびきが病的であるというわけではないのですが、中には睡眠中に呼吸が止まったり弱くなったりする事を伴う睡眠時無呼吸,低呼吸症候群の方がおられます。呼吸が止まったり弱くなれば体に取り込まれる酸素が低下し心臓、脳など重要な臓器に悪影響を与えます。高血圧を引き起こし、ひいては心筋梗塞や脳出血、脳梗塞といった重篤な疾患を引き起こします。
また良好な睡眠を得られていないので、逆に昼間にとても眠く、会議や映画館などですぐ眠ってしまうなどの症状も現れ、運転される方では居眠り運転を引き起こし交通事故の危険が増加します。
こうした睡眠時無呼吸症候群かどうかは終夜ポリグラフと言う検査機器で睡眠時の状態をモニターして診断します。具体的には検査機器を装着方法をお教えして貸出し、自宅で装着し就寝していただいたきます。お身体への負担はなく終了後返却いただいた後でデーターを解析する事で評価します
(終夜ポリグラフの装着例)
現在日本人でも睡眠時無呼吸は多くの方に潜在すると考えられ、全人口の1~2割程度みえるのではないかと言われています。肥満はこうした病気を増悪させますが、骨格、気道の構造によっては肥満がない方でも起こります
治療は軽傷の方は歯科口腔装具(マウスピース)の装着で改善する場合もありますが、多くは持続陽圧呼吸補助装置(CPAP:シーパップ)というマスクから空気を送り睡眠時の空気の流れを助けてあげる機器を使用いただくく事で睡眠時の呼吸状態を改善します。この機器の貸し出しの治療は健康保険が適応されます。
(CPAPによる治療の例)
治療により心筋梗塞、脳梗塞等の危険が2~3割減少し長生きする事が期待できます。また直接的には昼間の眠気が無くなりお仕事や勉学などにもいい結果をもたらし、交通事故の危険も減らし、ご家族にとってもいびきの音から解放されます
当院ではご自宅で勘弁に検査できる睡眠時無呼吸症候群の検査が可能です。いびきをかく、ご家族から呼吸の異常を指摘されている、昼に眠い等の症候のある方ぜひ睡眠時無呼吸の検査を受けることをおすすめします
こうした症状でお悩みの方はレストレスレッグス症候群の可能性があります。レストレスレッグス症候群は不眠や昼間の眠気を引き起こし物事に集中できないなどの弊害の表れてくることもあります。
その原因はまだ確定はしていませんが神経伝達物質のドパミンや鉄分の不足の関与指摘されています。
適切な治療を受けることによりこうしたつらい症状を抑えることができます。どうぞお気軽に当院にご相談ください。
(図は大塚製薬資料より引用)
骨粗鬆症
骨の量は加齢とともに減少します。
骨の密度が低下し骨がもろくなり骨折しやすくなる病気が骨粗鬆症です。女性はホルモンバランスの関係で骨粗鬆症になりやすく男性でも高齢者では多くなります。
骨粗鬆症の代表的な症状には背中や腰の痛み、背中や腰が丸くなる、身長が縮むなどがあります。
現在は骨の減少をおさえる薬の使用で骨折しにくい骨にすることできるようになってきています。当院では骨粗鬆症の検査、治療が可能です。上記の様な症状のある方は是非早めにご相談ください(図は中外製薬株式会社資料から引用)。
サルコイドーシス
サルコイドーシスは全身に肉芽種という異常組織が発生する原因不明の難病です
侵される臓器は肺、眼、皮膚、心臓、肝臓、脳神経、関節など全身の多岐にわたります。
その原因はいまだ不明であり、免疫アレルギー機序や皮膚常在菌の関与が示唆されてはいますが未だ解明されてはいません。
日本人のサルコイドーシスは一般的には軽症例が多い反面、一部心臓病変などに進展すれば致死的となることもありえます
免疫アレルギー機序が示唆されていることもあり、重症等での治療はステロイド剤が使用されますがステロイドを長期使用すると副作用も多くその適応は慎重な判断が必要となります。
サルコイドーシスの診断、治療管理には一定の臨床経験が望まれると思われます。
サルコイドーシスの診療への専門医資格はありませんが、日本サルコイドーシス/肉芽種性疾患学会ではサルコイドーシスの診療を得意とする医師の名前を公表しています。
当クリニック院長も同学会員、同学会の評議員として活動しサルコイドーシス診療の豊富な経験があり登録されています。
サルコイドーシスと診断された方、その疑いがあると言われた方で専門的意見を聞きたい方などお気軽にご相談ください。
LINK
日本サルコイドーシス/肉芽種性疾患学会役員名簿
日本サルコイドーシス/肉芽種性疾患学会:サルコイドーシスの診療、研究を得意とする医師・医療機関
肺炎の予防 ~インフルエンザワクチンだけでなく2つの肺炎球菌ワクチンが有効です。
現在肺炎は、日本人の死因第3位で亡くなる方の約95%が65歳以上の高齢者です。
高齢者では病原体に対する抵抗力(免疫)が落ちてしまうため肺炎を起こしやすくなるのです。
肺炎を起こす菌のうち最も多いのが肺炎球菌です。
肺炎球菌肺炎には肺炎球菌ワクチンを用いた予防が有効です。
肺炎球菌ワクチンには2種類あります。
23価ワクチン(ニューモバクス)と13価ワクチン(プレベナー)です。
両方のワクチンを接種する事が肺炎予防に有効で日本呼吸器学会と感染症学会合同で推奨されています。
冬季流行するインフルエンザで死亡される方の多くが実は肺炎球菌肺炎を併発している事が判っています。インフルエンザワクチンと共に2つの肺炎球菌ワクチンを両方接種する事が望まれます。
*ワクチンの接種の順番と間隔については医師にご相談ください。